私の好きな食べ物

仕事の関係で、今まで各地を回り、いろいろな飲食店や各地の名産と言われるものを食べる機会に恵まれました。
ここでは、思い出に残る食べ物等を思いつくまま書いてみたいと思います。


No.7 うどん
 東京育ちで、子供のころは関東風の濃口醤油の色の濃いうどんしか知りませんでした。そばの出汁、汁と同様の甘辛汁であったように 思います。両親が長野県出身ですので、うどんよりそばと言う感じでした。学生時代に、東急東横線の学芸大学駅前に、讃岐うどんの立ち食いがありました。初 めて食べたときに、色の薄い出汁にびっくりしました。うす味ではありますが、しっかりと出汁のきいた味に取りつかれ、毎日のようにおやつ代わりに食べた ものです。
 社会人になり、仕事で大阪に行くようになり、朝は立ち食いうどん屋で狐うどんを食べるようになりました。昆布だしのきいた汁が、前日の飲み過ぎの体にし み込む様で毎回食べたものでした。その後、西日本各地を旅するようになり、うどんの奥深さを知るようになり、各地のうどんを食べ歩くようになりまし。今 は、うどんイコール讃岐うどんと言うイメージですが、うどんには讃岐以外にも多種ありますとともに、東京の讃岐うどんは讃岐とは多少違うのではないかとも 思っています。

 大阪
 大阪のうどんは、麺体は柔らかめですが、昆布だしの出汁が特徴ではないでしょうか?名物のきつねうどんのあげは甘辛く煮てあり最初に食べないと、だしも 甘辛くなってしまいます。そんな中で、私が一番好きなうどんはカレーうどんです。東京のカレーうどんは洋食系のカレーを伸ばしたような味ですが、大阪の カレーうどんは、昆布出汁と、牛肉、カレー粉が一体となりながらもそれぞれの味を主張するという、あっさりとしながらも、洋を感じさせないうどんです。私 のお勧めは中央区のマイドームオオサカのそばの「うさぎや」です。近くに仕事で行く機会があればよく食べたものです。

 福岡(博多)
 福岡の博多うどんもよく知られたうどんです。麺体は柔らかめですが、だしにあご(飛び魚)の出汁を使ったものです。イワシ等の青魚系の日干しと違い、白 身に近い飛び魚はあっさりとしながらも深みのある味が特徴です。乗せる種も、丸天(丸い揚げかまぼこ)かごぼう天(太いごぼうのてんぷら)が好みで食べて います。また、博多でもなかなか食べられませんが、五島列島の地獄うどんでがあります。五島の乾麺を鉄釜にて沸騰させながら(地獄の風景)あご出汁につけ ながら食べるものですが、体が温まるおいしいうどんです。

 愛媛
 愛媛はうどんとそばが両立する感じですが、愛媛でぜひ食べていただきたいうどんは、じゃこ天うどんです。じゃこ天は、瀬戸内海の雑魚の揚げかまぼこです が、このかまぼこの揚げたてをうどんに入れていただくものです。魚の味のしみ出た揚げ油が出汁に溶け込み独特の香りと味になります。

 徳島
 中国からうどんを日本にもたらしたのは空海と言われています。空海が最初にうどんを伝えたのは徳島県と香川県の県境の徳島寄りと言われています。徳島に もうどん屋はたくさんあります。特徴的なうどんにたらいうどんがあります。徳島から高松に抜ける山中に数軒ありますが、茹でたうどんを小さなたらいに入 れて提供されます。付け汁は以前はじんそく(はぜ科の川魚)の出汁を使用していたようですが、最近はごく普通の付け汁の店が多いようです。徳島うどんの特 徴は、出汁で食べるうどんか、出汁汁のぶっかけうどんではないでしょうか?出汁はいりこをメインに昆布を使用した香り豊かなおいしい出汁です。徳島のうど ん屋の特徴は、天だね(竹輪、半熟玉子、かしわ、げそ等)の豊富さと、生竹輪、わかめ等選ぶのに迷うほどです。うどん以外にちらし寿司、サバすし、お稲荷 さん、おでんがあるのが普通ではないでしょうか?ただ、私が徳島で気になる店は徳島空港のそばにある「釜揚げうどん一匠」です。休みが多くなかなか食べる ことはできませんが、讃岐風の太く、かたいうどんで、釜揚げかぶっかけのみの店です。私が気になる点は付け汁が何とも言えない味を出しており、東京に戻っ て何度チャレンジしても再現できないことです。出汁の材料の違いかと思い、徳島でいりこや、薄口しょうゆ等仕入れてチャレンジするのですがあと一歩のとこ ろまでしか行きません。そんなことでいづれチャンスがあればいま一度訪れたい店です。

 香川
 讃岐うどんの本場です。高松空港でレンタカーを借りますと、ナビにうどん巡りのソフトが入っているぐらいです。讃岐うどんの基本は麺体を味わうというこ とです。基本はぶっかけもしくは釜玉もしくはかけうどんです。天だねはそれほど重要ではありません。うどんをすするのですから余計なものはいらないという ところではないでしょうか?徳島でもそうでしたが、天だねは別皿に取り醤油をかけて食べます。うどんの出汁には入れんません。後は茹で揚げ冷水で占めたう どんに醤油をかけた醤油うどんもあります。ただ、ブームになっただけ、味は落ちてきているのではないでしょうか?ブームになりかけのころ、知人にご案内い ただき6店舗ぐらいを回ったときに小懸家と言う醤油うどんの店のうどんがほのかな甘みがあて印象に残りましたが、その後再び訪ねた時は店は大きくなりうど んの味も落ちていました。平日でこのようなことですので、休日ですともっとひどいのかも知れません。ブームになり客が増えることで量産化をすれば味は落ち ます。味が落ちれば客も減ります。ブームは一時期です。一度落とした評価は再び取り戻すことはかないません。だいぶブームも落ち着いてきています。今のう ちに建て直さないと観光客も離れてしまいます。


No.6 あら
 もう季節も終わりますが、九州は福岡であらを食べたことがあります。あらは、たら科の白身魚ですが大きい ものになると全長1mを超える東シナ海の魚です。大相撲の九州場所が始まると、力士のちゃんこなべ用に出回ります。ですから、九州場所が終わった後は市中 に出回ります。普段はあまり出回りませんし、大体において小型のものになります。力士用にタニマチからのプレゼント用にもなりますので相当な高値になりま すので、漁師もここぞと頑張って取るのだと思います。よって九州場所の後はそのおこぼれが味わえるのです。福岡の博多でも、あらを食べさせる店はそれほど 多くはありません。また、常時扱っているところは小型のあらでいけすで飼っているものです。東シナ海産の魚の特徴は、流れの速い海流にもまれた魚ですので 身のしまりが重要になります。
 関サバ、関アジが全国的に有名ですがこれは豊後水道の流れの速さが重要になります。東シナ海の五島列島にも、ごんサバ、ごんアジと言う同様の生で食べら れるサバ等があります。ただ、五島から本土に運ぶのに時間がかかるため、九州は博多どまりで東京では味わえません。また、身のしまりが特徴ですので、いけ すや、〆てから時間がたったものは身が柔らかくなり評価は半減となります。
 まず、お作りですが、厚めに切った刺身は、歯ごたえと油のコクが口全体に広がり白身の中トロと言った感じです。
 また、あら鍋は白身の淡白さとは異なり、深い味わいと油のコクがでて非常においしいものです。
 同時期、フグが有名でどの店でもフグがありますが、ふぐの繊細さとは異なり、あらは力強いイメージがあります。フグでしたら日本全国で食べられますの で、冬の博多においでの折には、ぜひ一度チャレンジしてみてください。タイミング次第ですが、いいものにあたれば一生忘れられない思い出になるのではない でしょうか?
 ただ、私も何度かチャレンジして食べられたのは数回ですが、思い出に残るのは一度しかありません。
 博多、大名に稚加榮と言ういけす料理やがあります。昔は料亭のところを改造して料理屋にしていますので立派な建物です。常時あるわけであ りませんが、仲居さんに聞いてみるとメニューになくてもある場合があります。もし、あらがなくても、ここでしたら何を食べてもおいしいです。大きないけすに ありとあらゆる活魚がいますし、イカは専用のいけすがありますので活け造りも大変おいしいものです。また、〆にはここ特性の明太子とご飯が最高です。穏や かな辛さと深い味わいの明太子で、九州に行くと必ず購入します。

No.5 すし
 
すしに関しては、皆様いろいろなご意見もあり、好き嫌いもあると思います、
 生魚と言うこともあり、食べ手の健康状態もありますので、おいしかった店、それほどでもなかった店等いろいろとあります。
 営業をやっているころは、得意先の接待と言うことで、銀座にも数件のなじみのすし屋を持っていました。なぜ数軒かと言うと、同じ鮨屋は続けていこところ ではありません。接待に使う店と言うと、大体おまかせというスタイルの、座って飲み物を頼めば、あとは店の方でつまみから握りまで出してくれる店です。す しネタは季節ごとで変わりますが、1か月ぐらいは同じネタですので、つまみ、握りも同じ内容になります。2週連続で行くとまるっきり同じということが多い です。
 お酒を飲みにすし屋に行くなら同じ店の方がいいのかも知れませんが、すしを食べるとなると飽きてしまいます。そんなことで、数件の店を押さえておくことで、毎回違うつまみとすしを食べられます。
 そんなことで、個人ですしを食べたい時は、中堅で、回転の速い店に行きます。その理由は、お好みで食べられるだけのネタ数があることと、回転が速いとい うことはネタの回転も速く新鮮で品数が多いということになります。高級な店に行くほどネタの数は少なくなります。客の好みは関係なく店のコースに必要なネ タだけ仕入れれば良いからです。
私のすしの食べ方はまず、白身の内容を聞いて数種類お願いします。次に光りものも同様に数種類お願いして、アナゴ、マグロ、ねぎとろ巻きと言ったところ が、標準のコースになります。お好みで食べますので好きなものを食べます。ですから1人前的なすしは昼食等にはランチで食べることもありますが、すしを食 うとなると先のような食べ方をします。同様におまかせもあまり好きではありません。そんなわけで、ネタ数の多い店が大好きです。
 ただ、地方に行きますと食べ方はがらりと変わり、板さんと話しながらその地方の旬の名物種をいただきます。こちらの好みや、嫌いなネタ等を伝えますと、 その範囲で勧めてくれます。日本は内陸部を除けば、ほとんどの地方に漁港がありますので、その地方独自のネタがあります。マグロだけは日本全国同じです。 地方の高級すしやあたりではマグロを築地で仕入れるぐらいですから。
 では、地方に行ってどのようなすし屋へ行けば良いかと言うと、まず、観光誌に載っているような店は避け、地元の方に聞くか、ホテルのフロントに好みを 行って尋ねるとあまり間違いはないかと思います。また、店に行ったら板さんに、旅行者であることと、地元のネタを食べたいと伝えますと、旬のおいしいネタ を食べられると思います。
 そんなことで、どこの店がお勧めかなと考えても、日本全国山ほどのすし屋があります。また、毎日ネタも変わりますので、ここがと言う店をあげても、その 日によって異なります。地元で探すとしたら、何店か回って確かめるしかないと思います。また、板さんと仲良くなることがその日のお勧めのネタを出してもら 得ます。
 そんな中でも、私が機会があれば必ず行く店が北海道に1軒あります。北海道、小樽の寿司屋通りにあります、政寿司本店です。寿司屋通りで も大きな店ですが、昼の混雑時期を避けて行き、カウンターで板さんと話していますと、こんなネタはどうですかと、目の前のネタケースより、奥に行ってその 日上がったネタを探してきてくれます。今では東京でも多いですが?海水雲丹これは朝取った雲丹を海水と同じ塩分の水に入れたもので。その日しか持ちませ ん。通常は雲丹をミョウバン液につけて保形性を持たせて箱詰めされます。よって雲丹の本当の食感が試せます。また、塩漬けされる前の数の子、水だこの頭 等、通常の小樽ネタ以外のネタを食べさせてくれます。何度か通ううちに顔を覚えてもらうと、何も言わなくても今日はこんなネタがあります的な対応をしてい ただけました。ただ、この数年北海道に行く機会がなく残念でしたが、昨年春に銀座に支店ができました。早速行って見ましたが、ボタンエビぐらいしか小樽ネ タはなくてがっかりしました。銀座の客層に合わせたネタになってしまうのですかね?残念です。小樽のフランクな店の雰囲気が銀座にくると高級店のイメージ なる、店主の息子さんが店長らしいですが、コンセプトの間違えですね。
 そんな意味で言うと、銀座は金春通りにある、はこだて鮨金本店の方が活気があってリーズナブルな庶民の鮨、北海道ネタも豊富にそろえています。ただ、混んでいますのでカウンターでも狭いです。鮨を食べる店と割り切ればいい店です。

No.4 ふぐ
 ふぐのシーズンももうすぐ終わりですが、今回はフグについてです。
 正直、ふぐのおいしい店はと言っても思い浮かんできません。ふぐは値段を出さないと本当においしい店にはめぐり合えないような気がします。ただ、下関で 昔食べたふぐはおいしかったように思います。ポン酢もその場で橙を絞ってくれましたし、てっさを満足するくらい食べたせいでしょうか?ただ、何せ昔のこと で名前を忘れてしまいました。
 ただ、ふぐにはある程度の流れがありますので、それにのっとればおいしいもにめぐり合えると思います。
 ふぐの看板を見ますとよくトラフグとうたっているところが多いと思います。トラフグと言うと20から30センチの大きさで。よくいけすに泳いでいます。 また、サバフグと言って小型のふぐで、良く干物になっているものですが、スーパー等で売っているふぐちり用の切り身にはよくつかわれます。また、大阪はフ グがポピュラーでどこでも食べられますが、大阪のふぐのほとんどは天草で養殖されたふぐです。天草からいけす船で大阪まで運ばれて、港の加工場でさばかれ て一匹づつパック詰めされて出荷されます。これは東京と違い工場でさばかれたものを市中の料理屋が使ってもいいからです。料理屋さんで。注文を受けてから 白身から、てっさを作り、あらはチリ鍋にと加工されます。むろん店でさばくこともありますが、てっさの厚さで大体判断できます。パックづめの場合は、身 が軟化していますので多少暑くなります。店によってはあえてぶつ切りに近い状態で、ぜいたくさをうたっているところもありますが、薄く切れないだけです。 こんなわけで、大阪のふぐは養殖、集中加工のおかげで庶民的な価格です。
 一方、大阪以外はどこからふぐを仕入れるかと言うと、日本近海は結構ふぐは取れます。ただ、東シナ海の急流で育ったフグが高品質と言うことで、下関の市 場に上がった高級なトラフグのほとんどが東京の高級店に運ばれてしまいます。東京では店で出すふぐは、ふぐの調理師免許が必要で必ず店でさばきます。よっ て、いけすで生きていたふぐを〆て提供する店は値段が高くなります。
ところが東京でも、最近はチェーン店を中心に低価格のふぐコースを出す店が増えてきました。でも、そんなにトラフグがいるわけではありません。養殖フグを入手するか、韓国からの輸入ものか、実はもう一つトラフグに非常に似た カラスと言う品種があります。
カラスとトラフグの見分けはなかなか付きにくいですが、尻尾が黒いのがカラスです。ネットのふぐセットでも通常の価格の半値近いお買い得は大体カラスと 思って間違えないでしょう。店でさばきたてならほとんど分かりませんが、カラスはチリ鍋にすると多少生臭い感じが気になります。特に最後のぞうすいはねぎ を多めに入れないと気になります。ネット等で冷凍で来たものですと解凍段階で生臭さが分かります。
 でもお店で、ワイワイと食べるのでしたら、あまり問題はないのではないでしょうか。もし本当においしいトラフグをということでしたら東京では、いけすの ふぐを見てコースで一人前一万円以上でなんとかなるかなと思います。大阪ですとさばきたては東京都と同額かなとは思いますが、一般店でもおいしいフグが食 べられます。また、福岡ですと、もと料亭であった老舗クラスですと間違いはないかと思います。価格的には東京都同等です。また地元下関では高級店はめちゃ くちゃ高いです。何せほとんどのトラフグが東京行きですから希少価値があります。
 そんなことで、リーヅナブルでおいしいフグでしたら大阪が一番無難なのではないでしょうか?


No.3 牛鍋
 牛肉が続きましたので、ついでに文明開化の象徴である牛鍋を取り上げます。明治初期に「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音が する」と言う有名な言葉でもわかるように急速な外国文化の流入に伴い、今まで食べてこなかった牛肉を庶民が食べ始めました。「牛鍋食わぬは開化不進奴」 (現代風に意訳すれば「牛鍋を食わないとは、とんでもない時代遅れな奴だ」)といった食文化の変化の象徴的な牛鍋は横浜が発祥と言われています。現在も横 浜の日ノ出町周辺に数件牛鍋を食せる店が残っています。
 味付けは現在のすき焼きに近いものもありますが、今回私がご紹介する店は「大田なわのれん」と言う牛鍋屋です。
大田なわのれんの牛鍋はみそ味です、八兆味噌ベースの数種類の味噌をブレンドした味噌ベースで角切りにした牛肉を食べます。イメージとしてはカキの土 手鍋をイメージしていただければ分かりやすいと思います。肉と野菜はみそを入れた鍋で絡めながら煮込み、生卵をつけながら食べます。見た目は塩からそうで すが、甘味があり生玉子と合わせれとちょうどいい味になります。現在は黒毛和牛の霜降り肉の角切りですが、明治時代は普通の農耕牛か乳牛ではないかと思い ます。多分強烈な獣臭のしたものではないかと思います。現在、猪、熊、鹿、馬等の獣肉料理を出す店の鍋料理はすべてみそ味です。このみそ味が獣臭のマスキ ングに醤油より効果がありますので、明治初期の牛鍋はみそ味の方が好まれたあのではないかと思います。
 大田なわのれんさんは名前から想像すると、赤ちょうちんのような感じがしますが、赤毛氈の趣のある料亭です。日の出町は、あまり観光地としては有名ではありませんが、一度行く価値のある店だと思います。

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No.2 しゃぶしゃぶ
 すき焼きの次がしゃぶしゃぶで申し訳ありません。
 しゃぶしゃぶと言うと、最近はどの店でもすき焼きと同様に人気のメニューと思います。しかし、しゃぶしゃぶがどこの店にも登場したのはこの20年ぐらい 前からでしょうか?しゃぶしゃぶは本来は、中国の北東部の羊肉の料理で、真中に煙突の付いた独特の鍋を持ちた料理で、中華料理屋で提供されていたもので す。
 現在皆様が普通に想像なさる、普通の鍋で牛肉のしゃぶしゃぶは、大阪が発祥です。さすが牛肉文化圏ですね。
 日本風のしゃぶしゃぶは、すえひろ本店が発祥と聞いております。しかし当初は関西圏のてべ物で、関東ではあまりなじみのない食べ物でした。そんな関東にも木曽路の進出と共にしゃぶしゃぶが浸透してきて、いまやすき焼きをはるかにしのぐ存在になりました。
 さて、しゃぶしゃぶの味の基本は何でしょうか?もちろん牛肉になるんですが、お湯の中でしゃぶしゃぶすることによって、牛肉のうまみ成分は溶け出してい きます。高級な霜降り肉では、数秒のしゃぶしゃぶで肉がまだピンク色の状態ですと肉の味、脂の味が残っていますので十分楽しめますが、肉の色が白っぽくな るまで入れておくと、もはや油も抜け肉の味を堪能できなくなります。ですので、すき焼きほど肉そのものの差は出にくいと思います。むしろ、しゃぶしゃぶこ そたれそれもごまだれの差が大きく影響するのではないでしょうか?
 私のしゃぶしゃぶの食べ方は、まず肉をピンク色の状態でごまだれで堪能しますので、入れる野菜は基本的になしで、多少匂いが気になるときは長ネギのみを 入れる程度です。ある程度肉を食べ終わり、牛肉のエキスが十分出たスープに野菜類を入れて今度はポン酢で野菜類を味わいます。若いころは、注文時に肉のお 代りを同時にお願いして、肉のみを食べたものです。以前、大阪のそれなりの店で、しゃぶしゃぶをお願いしたところいきなり野菜を入れてしまい、テーブルの そばにくるたびに野菜を入れるため、途中からは寄せ鍋状態になってしまった記憶があります。この店はしゃぶしゃぶのなんたるかも理解していなと思い。寄せ 鍋を残して帰った記憶があります。
 また、私から見て不思議なことは、大阪ではスープは捨ててしまうことです。最後にうどんがつきますが、ポン酢で食べる様でもっともおいしいエキスの詰 まったスープは飲まないことです。関東では、お願いすればねぎ、塩、胡椒を小ドンブリと共に持ってきていただき、味付けしたスープにうどん、や餅を入れて 楽しめます。また、このスープこそその店の肉の質を判断する最高の機会だと思います。大阪では最後に、ご飯、香の物、味噌汁が出て閉めになります。最近で はお願いすればご用意いただける店が増えてきていますが、以前は断られるか、不思議そうな顔をされました。
 さて、どこの店のごまだれがおいしいかと記憶をたどりますと、やはり一番は大阪すえひろ本店ではないでしょうか?酸味と甘味、ゴマやナッツの深みのあるバランスのとれた味はさすがとは思いますが、すえひろ本店は接客が高飛車で今は行っていません。
私の店の接客を判断する方法は、当日の夕方電話予約を入れ一人と告げたときの店の対応を見ます。即座に満席と応える店は基本的に敬遠します。もちろん店側 にすれば、4人がけのテーブルを一人で占領するわけですから、一人客よりフリーの数人のお客を待った方が商売になります。しかし、私も接待にお使用する店 は基本的に下見をした店か、信頼のおける方の紹介以外は使用しません。そんな訳で、一人と言ったとたん断るような店は、お客をお金で見ており、心のこもっ たサービスは受けられないと思います。
すき焼きの項目で挙げた、松坂の和田金、京都の三島亭は一人でも空いていれば対応してくれます。しかしその地で双璧の有名店は電話段階で断られます。満席でないことはわかるのですが、店の方針ですのでそのような店は避けます。
 次にお勧めのごまだれは、木曽路のごまだれです。チェーン店ですので何でとお思いかもしれませんが、多少物足りないがバランスのとれたごまだれは飽きの こない味です。肉の引き立て役としては非常によくできたごまだれと思います。また、チェーン店ですので、専門の下請メーカーが大量に作っていると思います ので、いつ行っても味にぶれがないことが重要と思います。
 よく辛味やメリハリのあるごまだれに出会うことがありますが、肉の味を殺してしまいますので、安い肉を引き立てるにはいいかもしれませんが、いい肉を食べるには合いません。
 また、付け合わせの野菜もあまり匂いと味の強いものは合わないような気がします。理想としては長ネギと、キノコぐらいでちょうどいいのかもしれません。
 皆様も、次回しゃぶしゃぶを食べる機会がありましたら、ぜひピンク色の肉をごまだれで何枚食べられるかチャレンジしてみてください。

http://www.e-suehiro.com/rekisi.html
http://www.kisoji.co.jp/kisoji/


No.1  すき焼き
 すき焼きと言うと、皆様ご家庭でも、外食でもお食べになる機会は多いと思います。私の家庭でも、子供のころは、大切なお客様が
お見えになったときの特別な料理で、子供は残り物しか味わえませんでした。しかし、当時の牛肉特有の獣臭と醤油の匂いは今でも
記憶しております。今でこそ、牛肉の匂いは食欲をそそりますが、当時の牛肉の匂いはあまり好ましいにおいでなかったように覚えて
います。
 そんな私が、初めて感動したすき焼きは、大学4年の夏休みに三重の友人のところに遊びに行く途中で立ち寄った、松坂の和田金
でした。まだ、昔の木造建築の料亭でしたが、昼食時間に予約も取らずに運動靴に私服と言う格好でいきなり訪ねて行きました。
玄関口で東京からすき焼きを食べに来た旨を伝えたところ、快く受け入れてくれました。3名で訪問したのですが、個室に案内され
仲居さんと注文のお話したところ、せっかくだから網焼き一人前とすき焼きを二人前注文なされて方が楽しめますと勧められ、お任せしました。しばらくする と、炭火の七輪が運ばれ、いよいよ網焼きの始まりです。肉はひれ肉が3切れあり、たれに絡めた肉が焼けて行くいい香りが部屋に満ちたころ、食べごろを見 測って仲居さんが取り分けてくれました。
 次はいよいよ、目的のすき焼きです。ここで驚いたのは、肉を鉄鍋に広げたあと、まずは砂糖を采ばしの先で実に見事に肉全体にふりかけ、ころ合いを見て裏 返しにしたかと思うと、素早く醤油を加え香りが立ち上がった瞬間に取り分けていただきました。肉を食べ終わった後、だしを少量加え玉ねぎ等の野菜を順次加 えながらいただきました。
 あっという間の時間でしたが、仲居さんの最高のタイミングでの給仕が見事で、その時の旅行の最大のイベントは夢のように過ぎて行きました。
 東京育ちの私は、割りしたで煮るすき焼きしか知らず、ある種のカルチャーショックでした。その後社会に出て、各地ですき焼きを食べる機会に恵まれ、地方ごとでいろいろなすき焼きがあることに気がつきました。
 大きく分けると、西日本と東日本で大きく違うことでした。これは西と東の肉文化の違いが大きいのではないかと思います。今でも肉と言えば西は牛肉を、東 は豚肉を指します。牛肉に関して言うと、西日本は基本の肉で肉牛として飼育がなされていました。20年ほど前までは有名な銘柄牛と言えばすべて西日本でし た。それに対し東では日常的な肉は豚肉ですので、牛肉と言うと乳牛、農耕牛の流れを汲むものでした。ほんの40〜50年前までコメ作には牛は欠かせない労 力でした。年老いた農耕牛をハレの日に屠殺してみんなで食べるのが習慣でした。ですからどこの農家でも牛の数頭を飼育していたものです。
 当然、年老いた農耕牛ですのでかたく独特のにおいもあり、焼くというより煮ることにより味をしみ込ませ、やわらかくして食べる方向になったのではないで しょうか?また付け合わせの野菜に関しても東では匂いの矯正も含めて長ねぎ等の野菜が多くなります。北へ行くにつれて、ごぼうが増えてきますが獣肉(狸, 猪、熊等)の鍋には必ずごぼうが入り独特の匂い消しに使われます。
 その当時の名残でしょうか、東京ではまず割り下を鍋に張り、野菜を加えて煮ながら肉を加える方法が多いと思います。どちらかと言うと牛鍋ですね。せっか くの高級な牛肉と砂糖、醤油の焼けるハーモニー(糖アミノ反応)を堪能するなら、西日本スタイルのすき焼きがお勧めです。
 むろん西日本がすべてとは言いません。私がお勧めできるお店は数少ない経験で言うと、松坂の和田金と京都の三島亭の2店でしょうか!ほかにもあるとは思いますが、接客対応の面で落ちる店が多く、個人でご使用になさるのならこの2点がお勧めです。

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